まず現状を把握する


 現在の我が家のFMV DESKPOWER SEの基本スペックは以下の通りである。

現スペック

品名 FMV-5120D5 モデル DPSE7 型名 FMV5DSE73
 Chip Set M1511 M1512x2 M1513 (ALi)
 CPU Pentium Classic (P54C) 120MHz (133MHz(BaseClock66MHz)で駆動)
 L2 Cache Asynchronous SRAM 256kB
 RAM Fast PageMode DRAM NonParity 70ns 48MB (8MBx2+16MBx2)
 HDD FireBall ST3200A Ultra-ATA 3.2GB (Quantum)
 CD-ROM ATAPI 4倍速 (Matsushita)
 Video Mach64 PCI 2MB (ATI)
 Sound Sound Blaster 16 (Creative Labs)
 OS Windows95 OSR2.1 (Microsoft)

 ノーマルと違うものは色分けしてある。まあ2年も使っていれば、だれもがするアップグレードだろう。CPUはクロックアップのみ。ビデオに関しては昨年の3月に一度Matrox Millenniumに変更したのだが、10月の自作の時にその自作マシンに移設してしまい、またノーマルのオンボードATI Mach64に戻っている。ハードディスクもUltra-ATAの製品だが、当然IDEコントローラが対応していないし、ドライバもないので、Ultra-DMAどころが通常のDMA転送も行えてはいない。PIOのモードもよくわからないが、一応最高モードのようである。ファイルシステムはFAT32を採用している。因みにインターネットエクスプローラ4.0は入れてない。

 BIOSのアップグレードなども行っていない。一応アップグレードの対象製品でないので、問題がないはずなのだが、実際は結構問題があり、使えない周辺機器が多い。このあたりは別の事情としてこちら(FMVのその他の問題点)を参照してほしい。

 ビデオのドライバは富士通より1昨年にフロッピーで送られてきた修正ドライバを使っている。特にその後ATI Tecnologies社から出された最新ドライバに変更するといったことは行っていない。

 チップセットは個々のチップの型番であり、いわゆる「Aladdin?」といったチップセットの通称は分からない。ただ当時の定番であったIntelの430FX互換の製品で、EDO RAM対応PB-SRAM対応のものと思われる。次の1996年夏モデルでもデスクトップ型には依然採用されており、さらに次の1996年秋モデルのSシリーズから全面的にIntel製チップに移行し、使われなくなった。ただALi製のチップということでは、その後K6搭載マシンに「Aladdin IV+」が採用されている。

 前述のようにEDO RAM対応、PB-SRAM対応なのだか、このマシンにはFPM RAM非同期(Asynchronous)SRAMが使われいる。まだEDOなどが高価だったので、採用を見合わせたのであろう。マザーボードにPB-SRAM用のパターンまであるのだが、載っていないといった状態である。EDOに関しては搭載できるか不明である。ただBIOSに項目がないので、搭載して動いたとしても、EDOとしての速度では駆動できないと思われる。

 実はこの点が1年前にパワーアップを断念したときも問題になった。結局高速なRAMと2次キャッシュが使えないのでは、CPUなどをパワーアップをしても大して効果がでないだろうと判断したのである。当時はklamathの登場が噂されており、どうせマザーボードを交換することになるのなら、一挙にSlot1へ移行した方が賢明であると判断し、Pentium-IIの登場を待つことになった。

 しかしSocket7が俄然面白くなってきた今日、Slot1でなければならない必然性はない。むしろこちらでやったほうが楽しそうである。もちろんコストパフォーマンスという大きな命題があるせいもある。しかしメモリ周りがボトルネックである状況に変わりはないはずなので、最終的には全面的なアップグレードが必要だろうと考えている。実際このあたりをテストをして検証してみようと思う。



ザ・テストスクランブル

 参考に、FMVとの比較対象、および目標となる私のPentium-II自作機のスペックを挙げておく。

 M/B P2L97 rev 1.05 (ASUSTek)
 Chip Set 440LX AGPSet (Intel)
 CPU Pentium-II 300MHz ECC (337MHz(BaseClock75MHz)で駆動)
 L2 Cache Pipelined Burst SRAM 512kB
 RAM SDRAM 10ns 64MB (32MBx2) (Samsung)
 HDD FireBall SE6400A Ultra-ATA 6.4GB (Quantum)
 CD-ROM DR-533 SCSI 24倍速 (Pioneer)
 Video Millennium 4MB PCI (Matrox)
 Sound Sound Blaster AWE64 (Creative Labs)
 OS Windows95 OSR2.1 (Microsoft)

 今となっては最早最速という代物ではないが、第一線級のものであることには変わりない。目標として低くも高くもないものだと思っている。

 テストに関しては、かなり沢山のベンチマークテストプログラムが入手できたので、徹底的に行いたいと思う。雑誌でもよく見かけるプログラムが多いので、記事などとも比べてほしい。グラフにしていないので見にくいけど、表示が重たくなるのもなんなので勘弁して下さい。

 測定時の解像度、色数、リフレッシュレートはそれぞれ、1024x76865536色(16bit, HighColor)75Hz NiFFである。基本的にはテスト毎に再起動するようにしている。複数回測定して、もっとも成績の良かった項目をピックアップして記載している。

 またパフォーマンス的に有効であると思われるBIOSの設定は全て施してある。キャッシュ有効、メモリアクセス最速、ライトバック方式など。もっともFMVの場合は設定できたのはキャッシュの無効有効の設定くらいである。

 また我が家のマシンは上記のように多少ノーマルからアップグレードしている(RAM増設、HDD交換、オーバークロック)ので、実際に完全にノーマル状態にした場合もテストしてみた。これらの効果がわかると思う。こちらをどうぞ。


WinBench98
マシン   CPU Mark FPU WinMark Business Graphic Business Disk High-End Graphic High-End Disk
FMV-DESKPOWER 188 478 15 742 24 1550
自作機 839 1740 120 1230 148 3300

 雑誌などでは定番中の定番ベンチである。かなり沢山の項目があるが代表的なものだけ記載してある。CPUの周波数差(2.5倍)をかなり超えるものが多い。やはりメモリ周りが足を相当ひっぱっていると思われる。また相変わらずビデオも問題なようだ。

 ディスク系のテストが比較的健闘しているのは、やはりHDDがいいせいだろう。実際前述のようにUltra-ATAにはなっていないが、このドライブ(Quantum FB-ST)はドライブそのもの性能が大変いいので、転送方式に関わらずいい結果がでるようである。また自作マシンの方はUltra-DMAでちゃんと動作しているし、グレードが一つ上のFB-SEなのを差し引いてみてほしい。それを考えるとかなり健闘しているのがわかる。HDDのアップグレードはそれなりに効果があることを示している。


HDBENCH Ver 2.610
マシン   浮動小数点 整数演算 矩形 Text Scroll READ WRITE
FMV-DESKPOWER 7636 8066 2018 576 1322 11 7366 7095
自作機 27357 21707 42360 4118 27012 553 11035 11002

 フリーでもっとも入手しやすいテストプログラムである。ただバージョンによる違いによって結果がかなり変わってしまう(2,3倍も差がつく場合がある)ので気を付けたほうがいい。今後新しいバージョンがでても、今のもの(Ver 2.610)で行っていくつもりだ。

 CPUテスト(浮動小数点と整数演算)はそれなりだが、ビデオ関係は目を覆いたくなるほどの差だ。このプログラムには他の製品と比較できるようグラフがあるが、見たくないと思うほどである。ただしバージョンの違うもので行うともっといい場合(2倍以上)もあったことは付け加えておく。しかしやはりディスク系の健闘が光る。


メルコベンチマーク
マシン   スクロール 画像編集 図形描画 CPU RAM HDD CD-ROM
FMV-DESKPOWER 116 435 109 632 285 254 187
自作機 2265 1985 2666 1467 2193 1650 761

 雑誌でたまに見かけるテストプログラムだ。ただし不可解な結果もあるので参考程度に。

 スクロール、HDD、RAMなどの性能差がつきすぎなのが気になるが、図形描画は異常。25倍も差がついている。ちょっと理解し難いので、あまり参考にしたくない。後は比較的それなり。CD-ROMは端的に回転速度(4倍と24倍)の差が出ているので、ドライブの差としてご理解頂きたい。


Intel Media Benchmark
マシン   Over Video Image 3D Audio
FMV-DESKPOWER 71 56 95 90 77
自作機 457 537 1441 339 544

 このテストプログラムでの比較もちょっとFMVに酷かもしれない。MMX命令の処理できるCPUとそうでないCPUとの差が端的にでてしまう。それをご理解の上見ていただきたい。

 それにしても随分差がつくものですね。CPUのアーキテクチャもそれなりに重要であることがわかる。このテストは今のK6も不得意だと言われている。MMX命令の改善されるK6-2に期待する部分である。


WinTach
マシン   Word CAD SpreadSheet Paint
FMV-DESKPOWER 62 146 42 60
自作機 495 1855 594 540

 これは16Bitのプログラム。やはりたまに雑誌で見かける。

 やはり理解に苦しむほど差の出ている項目がある。あまり変なので何度もやってみたが結果は変わらなかった。まあこれも参考までとしておきたい。しかし現実にこのような差が出たのである。どこかにその性能差があるのは間違いない。やはりグラフィック系のテストの結果がはなはだ悪いのはここでも同じだ。


CoreTest (MB/sec)
マシン      1kB 4kB 16kB 64kB 256kB 512kB 1MB 2MB
FMV-DESKPOWER READ 165 168 90 81 56 48 44 44
自作機 READ 323 321 321 320 319 150 108 108
FMV-DESKPOWER WRITE 185 263 72 51 49 50 50 50
自作機 WRITE 1063 1603 1816 302 303 220 181 180

 純粋にメモリ速度を計測するプログラム。いままでのテストはメモリパフォーマンスがわかりにくいものが多かったが、これならバッチリ。

 サイズによって、1次キャッシュ2次キャッシュか、メインメモリかの差もわかる。比較2機がそれぞれ1次キャッシュ(16kBと32kB)、2次キャッシュ(256kBと512kB)の容量が違うので端的に比較できないが、一方で容量の差もパフォーマンスに関係するであろうことが予想できる。

 それにしてもFMVの2次キャッシュはなんなのだと言いたくなるような結果である。64kBを見て頂きたい。256kBの2次キャッシュに十分収まるはずのデータである。にも関わらず。メインメモリアクセスが相当余儀なくされるであろう1MBの結果と大して変わらない。特にWRITEは全く差がない。何とFMVの非同期SRAM2次キャッシュはFPM DRAMと変わりないのである。これでは2次キャッシュはないも同然。1次キャッシュ部分になる16kB以下のデータは他にくらべ速くなってはいるものの、特にWRITEは自作機と恐ろしい程差が出ている。

 メインメモリも思ったより差がある。FPMとSDRAMでは相当差があるのか、それともFMV側のメモリアクセスに問題があるのかもしれない。


Superπ
マシン   104万桁
FMV-DESKPOWER 30分12秒
自作機 5分43秒

 こちらは汎用コンピュータ時代からの定番ベンチ。ビデオ以外の総合的な性能の差が出ると言われているが、実際は浮動小数点演算に強いIntelのCPUに有利であることが分かっている。特にPentium-IIの独壇場という結果が出ているので、今回のパワーアップでは多分K6系をCPUと選択する関係から、結果を単純にPentium-II自作機と比べるつもりはない。ただ1次キャッシュ、2次キャッシュ、メモリなどの違いがきちんと出るようなので、パワーアップの効果の目安になるとは考えている。

 それにしてもいくら前時代のPentium Classicとはいえ、Intel CPUを使っていながらFMVは30分を超えるとは。


 とにかく選んだCPUによって得手不得手はあるにしても、このFMVを目標であるPentium-II自作機にどこまで近づけることができるか楽しみである。

 テスト結果をふまえ、この目標を達成すべく具体的な計画に入ろう。こちらへどうぞ。


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